近年、増え続ける医療費支出を抑えるため、政府はこれまで行っていた医療施策を打ち切ったり、縮小したりする方向に動いている。その結果として、地域によって医師や病院の数に偏りが生まれ、医療格差が生まれている。
東京などの大都市では人口が増え続ける傾向にあり、今後さらに大都市には医療機関が増える一方で、田舎などの過疎地域では医療機関が統廃合され、減り続ける恐れがある。このような状況では、田舎などの過疎地域に住めばさまざまな医療上の問題が発生することが予想される。
一つはがんなどの重度の傷病に対する治療が受けにくくなるということ。
高度ながん診療を行う医療機関は都市部に集中しており、田舎に住んでいてその治療を行うとなると、莫大な交通費がかかってしまうことになる。
二つ目は救急医療の問題。
救急医療を受け入れる拠点は百万人につき一拠点という基準で設置されているため、人口が少ない地域だと受け入れる医療機関が遠方にしかない場合が多くなる。そのため迅速な治療が求められる救急医療が少ないと、住んでいる場所が生死の分かれ目となってしまうケースもあるのだ。
このような医療格差社会を乗り切るために大事なことは、まず一人一人が病気の早期発見を行うために健康診断を受ける環境を作ることが挙げられる。早期発見を行えばがんであっても専門的な治療を行うことなく完治させることが可能である。そういったことを踏まえて、予防医療を拡大させる動きを強くしていくことが欠かせない。
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