日本社会における高齢化の進展により、医療費の増大が予想されるとともに、自由診療の拡大による医療格差が懸念される。
同時に、医療界に対する偏向した見方が広がることになり、金持ち優先の医療だと揶揄される病院も増えてくると思われる。それが地域医療の崩壊を招く事態にも繋がり、臨床医が減り産業医が増大すると考えられている。
一方、ITやAIによる医療技術の進歩には目覚しいものがあり、コンピューター診断や遠隔操作による手術など、革新的な流れが生み出されつつある。但し、技術ばかりに頼ってしまうと、医療の基本である人と人とのつながりが薄れる可能性もあるため、偏向医療にならないようにすることが肝心である。
また、医療業界における深刻な人手不足を解消する手立てを考えないと、この国の先行きに未来は見えないので、医療現場を知っている人が政治に関わることも重要である。特に女性医師や女性看護師が安心して出産や子育てができる環境が整っていないと、医療現場そのものが不安定になり周りにも不安が波及することになる。先ずは病院などの医療現場の改革が、日本の少子化対策に必要だと指摘する人も多くいる。
しかしながら、現状は過剰に患者等、利用者優先主義になっており、医師を含めて殆どのスタッフが自分や家庭を犠牲にして働いている。自分の仕事に生きがいを見出している者であれば問題ないが、全員がそうとは限らない。
事実、若年層の離職率の高さが、この業界の労働環境の苛酷さを物語っている。このように医療業界には問題が山積みされており、様々な要因が積み重なって医療格差を助長しているのである。
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